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東京地方裁判所 平成9年(ワ)19789号 判決 2000年7月18日

原告

ユリウス・ブルム・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツンク

右代表者

【A】

右訴訟代理人弁護士

片山英二

伊藤尚

北原潤一

本多広和

右復代理人弁護士

長沢美智子

被告

株式会社太田製作所

右代表者代表取締役

【B】

右訴訟代理人弁護士

橘高郁文

右補佐人弁理士

【C】

主文

一  被告は、原告に対し、金四二〇〇万円及び内金八〇〇万円に対する平成九年一〇月二日から、内金三四〇〇万円に対する平成一一年九月三〇日から各支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  原告のその余の請求を棄却する。

三  訴訟費用はこれを三分し、その一を原告の負担とし、その余を被告の負担とする。

四  この判決は、第一項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由

第一原告の請求

被告は、原告に対し、金六二六〇万七五六九円及び内金八〇〇万円に対する平成九年一〇月二日(訴状送達の日の翌日)から、内金五四六〇万七五六九円に対する平成一一年九月三〇日(平成一一年九月二七日付け訴え変更申立書送達の日の翌日)から各支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

第二事案の概要

本件は、原告が被告に対し、ヒンジの特許権の侵害を理由として、損害賠償を求めている事案である。

一  争いのない事実

1  原告は、次の特許権(以下「本件特許権」という。)を有している。

特許番号   第一九三五三七二号

発明の名称  ヒンジ

出願日    昭和六〇年一〇月三日 優先権主張

1 一九八四年(昭和五九年)一〇月一九日

オーストリア共和国特許出願A三三三六/八四

2  一九八四年(昭和五九年)一〇月一九日

オーストリア共和国特許出願A三三三七/八四

3  一九八五年(昭和六〇年)五月九日

オーストリア共和国特許出願A一三九三/八五

4  一九八五年(昭和六〇年)八月一九日

オーストリア共和国特許出願A二四〇四/八五

の各オーストリア共和国特許出願に基づく優先権主張

出願公告日  平成五年一〇月二一日

登録日    平成七年五月二六日

2 本件特許権に係る明細書(以下「本件明細書」という。)の特許請求の範囲第一項の記載は、次のとおりである(以下、この発明を「本件発明」という。)。

「躯体と扉とを枢着するために前記躯体の側板内面に取付られるヒンジであって、一端に半円筒状の溝53を有しかつ他端に係合部54を有し、前記躯体の側板内面に沿って固着される取付板2と、扉に枢着されるヒンジアーム1と、一対のフランジ部分4'、4'がウエブによって結合された断面U字形状を有しかつ扉の取付位置が躯体の奥行き方向および横方向に沿って調節可能に前記ヒンジアームを支持して前記取付板に着脱可能に取り付けられる中間部材4と、前記取付板の半円筒状の溝53と係合する外周面を有して前記中間部材4のフランジ部分間に嵌挿され、前記中間部材を前記取付板に対して回動可能に枢支するピン63と、前記ピンの他端側で前記中間部材のフランジ部分に枢着されかつ前記取付板の係合部と係合する弾性突起57を有し、前記中間部材を前記ピン廻りに回動して前記取付板に固定する傾倒レバー5と、前記弾性突起を枢動して前記取付板の係合部54に係合する方向に付勢しているばね手段58、64とから成り、前記傾倒レバーが該ばね手段に抗して枢動されることにより前記弾性突起57が前記係合部54から開放可能となっており、同時に前記中間部材および前記ヒンジアームと共に取付板からも取り外し可能となっていることを特徴とするヒンジ。」

3  本件発明は、扉に枢着されるヒンジアームを、躯体の側板内面に沿って固着される取付板に、中間部材を介して着脱可能に取り付けて、躯体と扉とを枢着するヒンジに関するものであり、その構成要件を分説すれば、次のとおりである(以下、分説した各構成要件をその符号に従い「構成要件A」のように表記する。)。

A 躯体と扉とを枢着するために前記躯体の側板内面に取り付けられるヒンジであって、

B1 一端に半円筒状の溝53を有しかつ他端に係合部54を有し、前記躯体の側板内面に沿って固着される取付板2と、

B2 扉に枢着されるヒンジアーム1と、

B3 一対のフランジ部分4'、4'がウエブによって結合された断面U字形状を有しかつ扉の取付位置が躯体の奥行き方向および横方向に沿って調節可能に前記ヒンジアームを支持して前記取付板に着脱可能に取り付けられる中間部材4と、

B4 前記取付板の半円筒状の溝53と係合する外周面を有して前記中間部材4のフランジ部分間に嵌挿され、前記中間部材を前記取付板に対して回動可能に枢支するピン63と、

B5 前記ピンの他端側で前記中間部材のフランジ部分に枢着されかつ前記取付板の係合部と係合する弾性突起57を有し、前記中間部材を前記ピン廻りに回動して前記取付板に固定する傾倒レバー5と、

B6 前記弾性突起を枢動して前記取付板の係合部54に係合する方向に付勢しているばね手段58、64とから成り、

C1 前記傾倒レバーが該ばね手段に抗して枢動されることにより前記弾性突起57が前記係合部54から開放可能となっており、

C2 同時に前記中間部材および前記ヒンジアームと共に取付板からも取り外し可能となっていることを特徴とする

D ヒンジ

4  被告は、平成八年一〇月から平成一一年九月までの間、別紙「物件目録一」及び「物件目録二」記載の各物件(以下、それぞれ「イ号物件」、「ロ号物件」といい、これらを「被告各製品」と総称する。)を製造・販売した。その売上高の合計は、三億七〇二六万〇三七二円を下らない。

5  被告各製品は、いずれも次の構成を有する(以下、その構成をその符号に従い「構成a」などという。)。

a 躯体と扉とを枢着するために前記躯体の側板内面に取り付けられるヒンジであって、

b1 一端に略L字状部分53を、中間部両側に側方に膨出する角形の膨出部3を、かつ他端に係合部54をそれぞれ有し、前記躯体の側板内面に沿って固着される取付板2と、

b2 扉に枢着されるヒンジアーム1と、

b3 一対のフランジ部分4'、4'がウエブによって結合された断面U字形状を有し、右フランジ部分4'、4'がそれぞれ前記取付板2の側方の膨出部3を嵌合する角形の切欠部3'を有し、かつ扉の取付位置が躯体の奥行き方向及び横方向に沿って調節可能に前記ヒンジアーム1を支持して前記取付板2に着脱可能に取り付けられる中間部材4と、

b4 前記取付板2の略L字状部分53と接点を有する外周面を有して前記中間部材4のフランジ部分間に嵌挿され、前記取付板2に係合するように前記中間部材4に設けられたピン63と、

b5 前記ピン63の他端側で前記中間部材4のフランジ部分に枢着されかつ前記取付板2の係合部54と係合する弾性突起57を有し、前記中間部材4を前記取付板2に固定する傾倒レバー5と、

b6 前記弾性突起57を枢動して前記取付板2の係合部54に係合する方向に付勢しているばね手段58とから成り、

c1 前記傾倒レバー5が該ばね手段58に抗して枢動されることにより前記弾性突起57が前記係合部54から開放可能となっており、

c2 同時に前記中間部材4及び前記ヒンジアーム1と共に取付板2からも取り外し可能となっていることを特徴とする

d ヒンジ

6  被告各製品は、いずれもその構成a、b2、b6、c1、c2、dにおいて、構成要件A、B2、B6、C1、C2、Dをそれぞれ充足する。

二  争点

1  被告各製品が本件発明の技術的範囲に属し、被告各製品の製造・販売が本件特許権を侵害する行為に該当するかどうか。

(一) 被告各製品が構成要件B1を充足するか(殊に、被告各製品の略L字状部分53が構成要件B1の「半円筒状の溝」に該当するか。被告各製品の膨出部3を有する取付板2が構成要件B1の「取付板」に該当するか。)。

(二) 被告各製品が構成要件B3を充足するか(殊に、被告各製品の切欠部3'を有する中間部材4が構成要件B3の「中間部材」に該当するか。)。

(三) 被告各製品が構成要件B4を充足するか(殊に、被告各製品のピン63が構成要件B4の「前記取付板の半円筒状の溝と係合する外周面を有して・・・前記中間部材を前記取付板に対して回動可能に枢支するピン」に該当するか。)。

(四) 被告各製品が構成要件B5を充足するか(殊に、被告各製品の傾倒レバー5が構成要件B5の「前記中間部材を前記ピン廻りに回動」するものに該当するか。)。

(五) 仮に被告各製品の略L字状部分53が構成要件B1の「半円筒状の溝」に文言上該当しない場合、被告各製品が、構成要件B1のうちの「半円筒状の溝」という部分を「略L字状部分」に置換した点において、本件発明と均等か。

2  原告の損害額

三  当事者の主張

1  争点1(一)(構成要件B1の充足性)について

(原告の主張)

(一) 被告製品の取付板2は、一端に略L字状部分53を有するが(構成b1)、以下に述べるとおり、略L字状部分53は、構成要件B1の「半円筒状の溝」に該当する。

すなわち、まず、構成要件B1の「半円筒状の溝」は、その文言からすれば、あくまで半円筒「状」の溝であれば足り、完全に半円を描く形状である必要はない。そして、「半円筒状の溝」という構成は、中間部材のピンを係合させることにより、ヒンジアームが取付板に対して回動可能に枢支され、したがってヒンジアームを取付板に簡単かつ確実に取り付けることが可能となる、という作用効果を目的として採られたものである。したがって、「半円筒状の溝」は、ピンがそこに係合する、すなわち引っ掛かって外れない状態になるような形状であることが必要であり、かつそれで十分であって、厳密に半円である必要はないというべきである。このことは、本件明細書に添付された実施例の図面2(Fig2)における半円筒状の溝53が円周の約四分の一程度の円弧状部分及び垂直部分(ヒンジの側面図における上下の方向を「垂直」と表現し、左右の方向を「水平」と表現する。以下同じ。)のみから形成されており、完全な半円筒形ではないことなどによっても裏付けられる。

被告各製品においては、ヒンジアーム1を取付板2に接近させ、ヒンジアーム1の傾倒レバー側を取付板2に向かって押圧して、ヒンジアーム1を取付板2に取り付けるが、中間部材4に設けられたピン63は、ヒンジアーム1を取付板2に接近させたときに略L字状部分53のほぼ曲面の部分(円弧状部分とそれに連続する若干の水平部分及び垂直部分を含む。以下「曲面部分」という。)のうちの少なくとも垂直部分に接触し、その後、ヒンジアーム1を取付板2に向かって押圧したときに略L字状部分53の曲面部分のうちの水平部分及び垂直部分の双方に接触して、右曲面部分に引っ掛かって外れない状態となっており(ヒンジアーム1を取付板2に接近させるに当たっては、ヒンジアーム1を取付板2とほぼ並行に浅い角度で接近させた場合と、大きな角度で接近させた場合とがあり得るが、いずれの場合も同様である。)、右曲面部分がピン63に係合しているものと認められるから(甲第四号証、第八号証及び第九号証参照)、略L字状部分53は、「半円筒状の溝」に該当する。

被告は、原告が本件特許出願の過程において当初の明細書の「第一軸受部」ないし「第1の切込み」という記載を「半円筒状の溝」と補正した経緯から、構成要件B1の「半円筒状の溝」という用語を限定的に解釈しようとするが、原告は拒絶査定において引用された西ドイツ特許との相違を明らかにして本件発明が新規性・進歩性を有することを示す目的でそのような補正をしたものではないし、そもそも「軸受部」や「切込み」という表現自体、その具体的な形態を読み取ることが困難なものであるから、右補正の事実が「半円筒状の溝」という用語の解釈を決するものとはいえない。また、「半円筒状の溝」がピン63を回動可能に保持するという作用効果を有することを前提に、被告各製品の略L字状部分53は、ピン63を回動可能に保持することはできない旨を主張するが、本件明細書の「回動可能に保持する」という記載は、本件特許の一実施例の説明にすぎず、「半円筒状の溝」が右のような作用効果を有することを前提にすることはできないし、実際の取付作業においては、ピン63が略L字状部分53の曲面部分の垂直部分のみに接触しているときも、その水平部分及び垂直部分の双方に接触しているときも、ピン63が落下することはあり得ず、被告の右主張は失当である。

(二) 被告各製品の取付板2は、中間部両側に側方に膨出する角形の膨出部3を有するが(構成b1)、構成要件B1は、取付板につき、「一端に半円筒状の溝を有しかつ他端に係合部を有」すること、「前記躯体の側板内面に沿って固着される」ことを要求するのみであり、その他の形状については限定していないから、膨出部3を有することは、右構成要件該当性を認める上で妨げとはならない。右膨出部3は、ヒンジアーム1が長さ方向に動いて不安定化するのを防止する役割を有するにすぎず、横方向への滑りを阻止する機能を有するものではないから、本件特許発明の作用効果に何ら関係しない。

(三) したがって、被告各製品は、構成b1において構成要件B1を充足する。

(被告の主張)

(一) 被告各製品の略L字状部分53は、以下に述べるとおり、構成要件B1の「半円筒状の溝」に該当しない。

すなわち、「半円筒状の溝」は、誰にでも容易に理解できる一義的に明確な用語であって、広辞苑によれば、「半円」とは「円を直径によって二分した一半」とあり、「円筒」とは「まるい筒」を示すとされているから、構成要件B1の「半円筒状の溝」とは、その文言上、「円周の二分の一にわたる円弧状の溝」を意味すると解される。被告各製品の略L字状部分53は、円周の約四分の一程度の円弧状であり、これが「半円筒状の溝」に該当しないことは明らかである。

この点、原告は、構成要件B1の「半円筒状の溝」とは、ピンが引っ掛かって外れない状態になるような形状であれば足りる旨を主張するが、本件特許権の優先権主張日より以前に刊行された西ドイツ特許出願公開公報(甲第一五号証)に記載された公知技術、原告が進歩性欠如を理由とする拒絶査定を受けて出願当初の明細書(乙第一号証参照)の「第一軸受部」という記載を「半円筒状の溝」と補正した経緯、本件特許の分割出願に係る発明(取付板の一端の構成が「半円筒状の溝」ではなく「軸承手段」となっているほかは、本件発明と同様の構成である。)が特許を受けていること、本件明細書に添付された実施例の図面における半円筒状の溝が一見して円周の約四分の一程度の円弧状と認められるものではないことなどに照らせば、構成要件B1の「半円筒状の溝」の意味を原告主張のように解することはできない。

また、被告各製品の略L字状部分53の円弧状部分は、その径がピン63の径よりも小さく(ピン63の径の方が大きい。)、しかも直角に曲折したL字状(垂直部分と水平部分のなす角度が九〇度)の隅に存在しているのであるから、右円弧状部分にピン63が接触することは物理的に不可能であって、そこにピン63が引っ掛かって外れないなどということはありえない。物理的にピン63に接触したり取付板2との係合に関与できるのは、略L字状部分53の垂直部分ないし水平部分であり、これが「半円筒状の溝」に当たるとは到底いえず、ピン63と取付板2との係合関係には何の影響もない右円弧状部分を「半円筒状の溝」と同一視することもできない。

さらに、構成要件B1の「半円筒状の溝」は、「ピン63を回動可能に保持」(本件発明に係る特許公報(以下「本件公報」という。)七欄二六行ないし二八行、九欄三〇行ないし三三行)するという作用効果を有するものであるところ、被告各製品の略L字状部分53は、ピン63を回動可能に保持することはできない。すなわち、被告各製品においては、ヒンジアーム1を正しい(ノーマルな)動作によって取付板2に取り付けた場合、ピン63の外周面が円弧状部分に接することはなく、ピン63を回動可能に保持する機能を有しない(甲第四号証の動作説明には誤りがある。)。ピン63の外周面が略L字状部分53の垂直部分に対接されることがあり得たとしても、ピン63は右垂直部分に沿って上下に移動自在な状態であり、この部分でピン63が回動可能に保持されることはあり得ない。また、ピン63が円弧状部分に最も接近した状態になっても、被告各製品ではピン63の直径が円弧状部分の径より大きいためピン63の外周面は円弧状部分には接触せず、ピン63は円弧状部分によって支持されず下方に落下する状態であるから、ピン63が回動可能に保持されることはない。

(二) 被告各製品の取付板2は、膨出部3を有するが、右膨出部3は、ヒンジアーム1を正しい(ノーマルな)動作によって取付板2に取り付けた場合に切欠部3'と接触し、切欠部3'とともに水平方向の位置決め機能を果たすものであり、他方、構成要件B1の「取付板」は、膨出部を有するものではない。したがって、被告各製品の取付板2は、構成要件B1の「取付板」に該当しない。

2  争点1(二)(構成要件B3の充足性)について

(原告の主張)

被告各製品は、構成b3において構成要件B3を充足する。

被告各製品の中間部材4は、フランジ部分4'、4'に膨出部3を嵌合する切欠部3'を有するが、構成要件B3の中間部材は、「一対のフランジ部分がウエブによって結合された断面U字形状を有」すること、「扉の取付位置が躯体の奥行き方向及び横方向に沿って調節可能にヒンジアームを支持して取付板に着脱可能に取り付けられる」ことを要求するのみであり、その他の形状については限定していないから、切欠部3'を有することは、右構成要件該当性を認める上で妨げとなるものではない。右切欠部3'は、ヒンジアーム1が長さ方向に動いて不安定化するのを防止する役割を有するにすぎず、横方向への滑りを阻止する機能を有するものではないから、本件特許発明の作用効果に何ら関係しない。

(被告の主張)

被告各製品の中間部材4は、フランジ部分4'、4'に膨出部3を嵌合する切欠部3'を有するが、右切欠部3'は、ヒンジアーム1を正しい(ノーマルな)動作によって取付板2に取り付けた場合に膨出部3と接触し、膨出部3とともに水平方向の位置決め機能を果たすものであり、他方、構成要件B3の「中間部材」は、切欠部を有するものではない。したがって、被告各製品の中間部材4は、構成要件B3の「中間部材」に該当しない。

3  争点1(三)(構成要件B4の充足性)について

(原告の主張)

被告各製品のピン63は、取付板2に係合するように中間部材4に設けられているが(構成b4後段)、ピン63の外周面が取付板2の略L字状部分53と接点を有しているから(構成b4前段)、構成要件B4の「取付板の半円筒状の溝と係合する外周面を有・・・するピン」に該当し、また、その外周面が円筒形状であることから、略L字状部分53の曲面部分と係合した状態で回転し、これに伴いピン63と一体となった中間部材4も回動するから、構成要件B4の「中間部材を取付板に対して回動可能に枢支するピン」に該当する(なお、ヒンジアーム1を取付けのために取付板2に接近させるに当たっては、ヒンジアームを取付板とほぼ並行に浅い角度で接近させた場合と、大きな角度で接近させた場合とがあり得るが、いずれの場合でも、ピン63は略L字状部分53の曲面部分のうちの少なくとも垂直部分に接触し、その後ヒンジアーム1を取付板2に向かって押圧すると、その時点で右曲面部分のうちの水平部分にも接触して、右曲面部分に引っ掛かって外れない状態、すなわち右曲面部分と係合した状態で回転し、ピン63の回転に伴い、これと一体となった中間部材4が回動するから、ピン63は中間部材4を回動可能に枢支しているということができる。)。

したがって、被告各製品は、構成b4において構成要件B4を充足する。

(被告の主張)

被告各製品のピン63の外周面は、略L字状部分53の水平部分と接点を有するが、「半円筒状の溝に係合する」ものではなく、また、ピン63は、中間部材を取付板に回動可能に枢支するためのものでもない。

被告各製品のピン63は、ヒンジアーム1が取付板2の面から鉛直方向に離れるように移動したとき、取付板2に設けられた略L字状部分53の水平部分に突き当たることによって両者の離脱を防止する、抜け止め用のピンであり、「中間部材の保持用枢軸としての役割を果たすピン」(本件公報九欄二八行ないし二九行)ではない。

仮に被告各製品のピン63が略L字状部分53の垂直部分に接触したとしても、中間部材4はピン63を中心に回動するものではなく、取付板2に接するヒンジアーム1のある一点、すなわち、中間部材4の角形切欠部3'とピン63の間のある一点を中心に回動するものである。このことは、ヒンジアーム1を取付板2に相対的に回動した際、ピン63部分が略L字状部分53の水平部分に向かって移動することからも明らかである(もしピン63を中心に回動するならば、ピン63が右のように移動するはずがない。)。実際には、ヒンジアーム1(中間部材4)を押圧した場合には、中間部材4の左側のピン63が取付板2から上昇すると同時に中間部材4の右側がばね手段58に抗して弾性突起57を枢動して取付板2の係合部材54に向かって下降する。このような作動ができるのは、中間部材4がその切欠部3'とピン63の間のある一点を中心に回動するためである。

したがって、被告各製品のピン63は、構成要件B4の「中間部材を取付板に対して回動可能に枢支する」ものに該当しない。

原告は、ヒンジアーム1を取付板2に取り付ける際に、ピン63が「中間部材を回動可能に枢支する」ものと主張しているが、ロ号物件から略L字状部分53の円弧状部分及び垂直部分をそっくり切欠した検乙第三号証においても、右切欠のない被告各製品と全く同様に右取付動作ができることからしても、原告の主張が間違っていることは明白である。すなわち、検乙第三号証でも、ピン63が中間部材4を枢支していないにもかかわらず、原告が回動と指摘する動きがある。これが回動ならば、ピン63を中心に回動するものではなく、他の部分を中心に回動していることは疑いようもない事実である。

4  争点1(四)(構成要件B5の充足性)について

(原告の主張)

被告各製品の傾倒レバー5は、中間部材をピン廻りに回動して取付板に固定するものであり、被告各製品は、構成b5において構成要件B5を充足する。

(被告の主張)

被告各製品の傾倒レバー5は、中間部材をピン廻りに回動するものではない。

5  争点1(五)(均等の成否)について

(原告の主張)

(一) 仮に被告各製品の略L字状部分53が構成要件B1の「半円筒状の溝」に文言上該当しないとしても、以下に述べるとおり、「略L字状部分」の曲面部分又は「略L字状部分」全体は「半円筒状の溝」という構成と均等であり、被告各製品は、本件発明の技術的範囲に属する。

(二) 特許請求の範囲に記載された構成中に対象製品等と異なる部分が存する場合であっても、(1)右部分が特許発明の本質的部分ではなく、(2)右部分を対象製品等におけるものと置き換えても、特許発明の目的を達することができ、同一の作用効果を奏するものであって、(3)右のように置き換えることに、当該発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が、対象製品等の製造等の時点において容易に想到することができたものであり、(4)対象製品等が、特許発明の特許出願時における公知技術と同一または当業者がこれから右出願時に容易に推考できたものではなく、(5)対象製品等が特許発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの特段の事情もないときは、右対象製品等は、特許請求の範囲に記載された構成と均等なものとして、特許発明の技術的範囲に属するものと解するのが相当である(最高裁第三小法廷平成一〇年二月二四日判決・民集五二巻一号一一三頁)。

(三) これを被告各製品について見ると、

(1) 本件発明の目的は、本件明細書の発明の詳細な説明(本件公報五欄三行以降)にあるとおり、ヒンジアームを取付板上に取り付ける場合に、ヒンジアームの取付位置の微調整を、仮固定した後に他人の手を煩わすことなくでき、構造が簡単であるにもかかわらずヒンジアームの取付板との着脱が極めて容易である弾性スナップ嵌め固定装置を備えた改良型ヒンジを提供することにある。

右に「ヒンジアームの取付板との着脱が極めて容易である弾性スナップ嵌め固定装置」とあるのは、(イ)取り付ける際には、弾性突起が取付板の斜面に接触した状態でヒンジアームを押圧すると、ばねの力によって弾性突起が回転することによって右接触点が下へずれて行き、最終的に弾性突起と係合部が係合する、(ロ)取り外す際には、弾性突起と一体化した傾倒レバーを持ち上げることによって、右係合が外れ、そのままヒンジアームの傾倒レバー側を上に上げることによって取り外すことができる、というように、ばねが取り付けられた弾性突起と係合部によって、ヒンジアームを押圧するだけで取付けが、また傾倒レバーを持ち上げるだけで取り外しがそれぞれ容易に可能となることを表している。

右の点に着目すると、取付板の係合部と中間部材の弾性突起とは、まさに本件特許発明の重要な要素である一方、反対側の「半円筒状の溝」は、ピンがその部分に係合して回動するために要求されるにすぎず、本件特許発明の本質的部分ではない。

(2) 前述のように、被告各製品の膨出部3及び切欠部3'は、本件発明の構成要件該当性の認定の妨げとはならない。そして、被告各製品においてもピンは「略L字状部分」の曲面部分に係合することから、本件発明の「半円筒状の溝」を被告各製品の「略L字状部分」の曲面部分又は「略L字状部分」自体に置き換えたとしても、ピンを略L字状部分の曲面部分に係合させ、中間部材を回動させ、中間部材と弾性突起とを係合させることによってヒンジアームの取付けが容易になされ、かつ、傾倒レバーを持ち上げることによってヒンジアームの取り外しをすることはできる。したがって、右置換によっても本件発明の目的を達することができ、同一の作用効果を奏するといえる。

(3) 右のごとき置換は、ピンを係合させて中間部材を回動させるに足りるような形状を作出すれば実現するものである。「半円筒状の溝」は、ピンがそこに係合する、すなわち引っ掛かって外れないような形状であることが必要であり、かつそれで十分であるから、右のごとき置換は、当業者が対象製品等の製造等の時点において容易に想到することができたものである。

(4) 被告各製品も、本件発明と同様、弾性スナップ嵌め固定装置を備えるが、これは本件発明の中核をなす技術であり、従来技術とは全く異なるものであるから、公知技術ではない。また、中間部材にピンを取り付け、取付板に略L字状部分を設け、ピンを略L字状部分に係合するという技術も、従来技術には見られなかったものであり、公知技術ではない。また、当業者がこれらの技術を組み合わせる等して容易に推考できたものともいえない。

したがって、被告各製品は、本件発明の特許出願時における公知技術と同一又は当業者がこれから右出願時に容易に推考できたものではない。

(5) 被告各製品が本件発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たる等の特段の事情もない。

(四) したがって、被告各製品は、本件特許権の特許請求の範囲に記載された構成と均等なものとして、本件発明の技術的範囲に属するといえる。

(被告の主張)

「略L字状部分」が「半円筒状の溝」という構成と均等であるとの原告の主張は、以下に述べるとおり、失当である。

(一) まず、「半円筒状の溝」は、本件特許発明の本質的部分である。このことは、本件特許権に係る特許異議事件における審決(平成二年審判第一八六六三号、乙第二号証)によっても明らかである。

原告は、取付板の係合部と中間部材の弾性突起とが本件発明の重要な要素であり、反対側の「半円筒状の溝」は、ピンがその部分に係合して回動するために要求されているにすぎず、本件発明の本質的部分ではないと主張するが、補正の経緯を無視した主張である。

(二) 「半円筒状の溝」は、「略L字状部分」と置換しても本件発明の目的を達することができ同一の作用効果を奏する、というものではない。「半円筒状の溝」は、その部分でピンを回動可能に保持する作用効果を有するものであるが、「略L字状部分」は、このような作用効果を有しない。

(三) 「半円筒状の溝」を「略L字状部分」と置き換えることが当業者が容易に想到することができたものでもない。この想到の容易さの程度は、特許法二九条二項所定の、公知の発明に基づいて「容易に発明をすることができた」という場合と異なり、当業者であれば誰もが特許請求の範囲に明記されているのと同じように認識できる程度の容易さと解すべきである(東京地裁平成一〇年一〇月七日判決・判時一六五七号一二二頁参照)。しかるに、「半円筒状の溝」と「略L字状部分」とはどちらも円弧状部分を有するといっても、前者のそれはピンを回動可能に枢支するものであるのに対し、後者のそれはピンと何らの接点さえも有しないものであって、両者は全く異質のものである。この点一つとってみても、右置換を当業者が容易に想到することができるとは到底いい難い。

(四) 被告商品は、本件発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たる。前記のとおり、原告は、進歩性欠如の拒絶査定に対し、出願当初の明細書の特許請求の範囲の「第一軸受部」の記載を「半円筒状の溝」と訂正する補正をし、引用例との相違を明確にして本件特許の進歩性を特許庁に認めてもらったものである。右経緯よりすれば、被告商品のような商品は、出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たることは明らかである。

6  争点2(原告の損害額)について

(原告の主張)

原告は、特許法一〇二条三項により、本件特許権を侵害した被告に対し、本件発明の実施に対し受けるべき金銭(実施料)の額に相当する額を、自己が受けた損害の額としてその賠償を請求することができるところ、(1)原告は昭和六〇年ころから日本国内において本件発明の実施品を販売していること、(2)被告はナスステンレス株式会社(以下「ナスステンレス」という。)に対し被告各製品を多数販売しており、被告が被告各製品を製造・販売しなければ、原告がナスステンレスに対し原告の製品を販売できたはずであって、このような場合、仮に被告のナスステンレスに対する販売開始の時点で原・被告間でライセンス交渉が行われているとすると、原告はナスステンレスに対する販売を断念するに見合うだけの実施料(原告の製品の販売により得ることのできた利益の五割以上)を要求したはずであり、被告も大口の具体的な顧客が存在した場合には原告の右要求に応じた可能性が高いこと、(3)本件発明は、従来技術に比べ、ヒンジアームの着脱の際に一人の人間が何ら道具を使用することなく極めて容易かつ確実に扉の取付け・取り外しができるという顕著な作用効果があり、極めて利用価値が高く、本件特許権の重要性は資金力及び営業力をはるかに上回るといえることなどに照らせば、原告が被告に対して請求できる実施料相当額は、被告各製品の売上高の一五パーセントと解するのが相当であり、五五五三万九〇五五円(平成八年一〇月から平成一一年九月までの間の被告各製品の売上高合計三億七〇二六万〇三七二円の一五パーセント)を下らない。

原告は、本件訴訟の提起・遂行を弁護士に委任せざるを得ず、そのための弁護士費用は、第一東京弁護士会所定の報酬会規により算定すると、七〇六万八五一四円である。

したがって、原告の損害額は、六二六〇万七五六九円を下らない。

(被告の主張)

ヒンジアームの着脱の際に一人の人間が何ら道具を使用することなく極めて容易かつ確実に扉の取付け・取り外しができるという作用効果を有する製品は、他にも多数市場に出まわっており、また、被告がナスステンレスに対し被告各製品を製造・販売しなければ、原告がナスステンレスに対し原告の製品を販売できたはずであるという理屈は、到底成り立つものではなく、仮に原・被告間でライセンス交渉があったとしても、多額の実施料を支払ってまで実施許諾を受ける必要性も存しない。鉄鋼製品又は金属製品の技術分野において、その通常の実施料は、売上額の二ないし五パーセントであり、原告が被告に対して請求できる実施料相当額は、せいぜい被告各製品の売上高の一パーセントを相当とすべきものである。

第三当裁判所の判断

一  争点1について

1  本件発明の各構成要件における「半円筒状の溝」及び「ピン」等の用語の意義について

(一) 被告各製品が本件考案の技術的範囲に属するかどうかを判断するに当たり、まず、構成要件B1の「半円筒状の溝」、構成要件B4の「係合」、「ピン」及び「回動可能に枢支」、構成要件B5の「ピン廻りに回動」の各用語の意義について検討する。

(二) 本件発明の目的は、ヒンジアームを取付板上に取り付ける場合に、ヒンジアームの取付位置の微調整を、仮固定した後に他人の手を煩わすことなくでき、構造が簡単であるにもかかわらずヒンジアームの取付板との着脱が極めて容易である弾性スナップ嵌め固定装置を備えた改良型ヒンジを提供することにあるところ、本件発明に係るヒンジは、扉に枢着されるヒンジアーム1と躯体の側板内面に沿って固着される取付板2とが極めて容易に着脱され得るとともに、ヒンジアーム1を取付板2に取り付ける際、一人の作業者が扉を躯体に押し当てながらヒンジアーム1を取付板2に対して順次押圧するのみで一応固定でき、その後にヒンジアーム1の取付板2に対する取付位置を調節することによって扉の躯体に対する取付位置を微調整できる構成になっており、本件発明は、簡単かつ確実に扉を躯体に取り付けることができるという作用効果を有する(本件公報五欄三行ないし九行及び一〇欄二〇行ないし二八行参照)。(甲第二号証によって認められる。)

本件発明において、取付板2は、一端に半円筒状の溝53を、他端に係合部54をそれぞれ有し、躯体の側板内面に沿って固着されるものであり、中間部材4は、扉の躯体への取付位置が躯体の奥行き方向及び横方向に沿って調節できるように扉に枢着されるヒンジアーム1を支持して、取付板2に着脱可能な状態で取り付けられるものである。中間部材4のフランジ部分4'、4'間には、半円筒状の溝53と係合する外周面を有するピン63が嵌挿され、中間部材4を取付板2に対して回動可能な状態で枢支しており、中間部材4は、半円筒状の溝53とピン63の外周面との係合により、ピン63と共に取付板2に向かってピン63廻りに、すなわちピン63を軸として回動し得るようになっている。他方、中間部材4のピン63と反対の端側には、取付板2の係合部54と係合し得る弾性突起57を有する傾倒レバー5が、中間部材4のフランジ部分4'、4'に枢着されている。そして、中間部材4がヒンジアーム1と共にピン63を軸として取付板2に向かって回動し、中間部材4のピン63と反対の端にある傾倒レバー5の弾性突起57が取付板2の係合部54と係合し得る位置まで至ると、弾性突起57を取付板2の係合部54に係合する方向に枢動しているばね手段58、64の付勢力によって、傾倒レバー5の弾性突起57が取付板2の係合部54と係合し、これによって中間部材4がヒンジアーム1と共に取付板2に固定される。また、傾倒レバー5の弾性突起57がばね手段58、64に抗して枢動されると、取付板2の係合部54から開放され、中間部材4がヒンジアーム1と共に取付板2から取り外されるようになっている。(以上の点は、本件明細書の特許請求の範囲第一項の記載から明らかである。)

(三) 前記の本件発明の作用効果等や本件明細書の特許請求の範囲第一項の記載に照らすと、本件発明における半円筒状の溝53とピン63の外周面との係合は、作業者がヒンジアーム1が枢着された扉を側板内面に沿って取付板2が固着された躯体に押し当てながら、ヒンジアーム1を取付板2に対して押圧し、この扉やヒンジアーム1からの押圧力によって、中間部材4をピン63を軸として取付板2に向かって回動させ、その結果、中間部材4のピン63と反対の端にある傾倒レバー5によって中間部材4と取付板2を固定させ、ヒンジアーム1を取付板2に取り付けられるようにするものであって、そのために半円筒状の溝53とピン63の外周面とが係わり合っていることを意味するものと解される。そして、このような中間部材4のピン63を軸とする回動を実現するためには、半円筒状の溝53とピン63の外周面とが、右の扉やヒンジアーム1からの押圧力が加わる側の少なくとも一か所において接触し、その接触箇所において相互に支え合う関係にあることを要し、かつ、それで十分であると解される。また、中間部材4の回動は、ピン63を軸とする円運動であるが、その円運動の中心が常にピン63にあるというものではなく、半円筒状の溝53とピン63の外周面との接触も、常に一定箇所において接触しているものではなく、その接触する箇所は、中間部材4の回動に伴ってそれぞれ変位するものである。そうすると、本件発明における半円筒状の溝53とピン63の外周面との「係合」(構成要件B4)とは、半円筒状の溝53とピン63の外周面とが扉やヒンジアーム1からの押圧力が加わる側の少なくとも一か所において接触し、その接触箇所において相互に支え合いながら摺動し得る状態にあり、これによって中間部材4がピン63を軸として取付板2に向かって回動し得ることを意味するというべきである。

右の半円筒状の溝53とピン63の外周面との「係合」の意味するところに加えて、「溝」という用語の一般的な意味を併せ考えれば、本件発明における「溝」(構成要件B1)とは、扉やヒンジアーム1からの押圧力が加わる側の少なくとも一か所においてピン63の外周面と接触する細長い凹部を意味すると解すべきである。そして、その「半円筒状」という形状については、前記の本件発明の作用効果等に加えて、「半」という用語が二分の一という意味のみならず、不完全な状態を表す意味をも有すること(広辞苑第五版参照。被告主張のように「半円筒状の溝」がその文言上「円周の二分の一にわたる円弧状の溝」という意味の一義的に明確な用語であるとはいえない。)、本件明細書に添付された実施例の図面2(Fig2)における溝53の形状(必ずしも底面形状が完全に円周二分の一の円になるような筒形ではない。)などを併せ考えれば、一方において円弧状の内周面を有し、他方において開放された細長い凹部であれば足り、必ずしも底面形状が完全に円周二分の一の円になるような筒形である必要はないというべきである。

また、本件発明における「ピン」(構成要件B4)とは、その外周面が扉やヒンジアーム1からの押圧力が加わる側の少なくとも一か所において右の半円筒状の溝53と接触する棒状ないし筒状の部材を意味するというべきである。

さらに、本件発明において、中間部材4が「ピン廻りに回動」する(構成要件B5)とは、右のような中間部材4のピン63を軸とする円運動を意味し、また、ピン63が中間部材4を「回動可能に枢支」する(構成要件B4)とは、半円筒状の溝53とピン63の外周面とが右のような係合関係にあることを意味するというべきである。

(四) ピン63及び半円筒状の溝53の円弧状の内周面の各径の大きさについては、本件発明の構成要件上何ら定められておらず、必ずしもピン63の径が半円筒状の溝53の内周面の径より小さくなければならないものではなく、ピン63の径が半円筒状の溝53の内周面の径より大きくても、両者が前記のように一か所において接触し、それによって中間部材4がピン63を軸として取付板2に向かって回動し得るものであれば、本件発明における両者の係合関係が肯定されるというべきである。

(五) 被告は、構成要件B1の「半円筒状の溝」について、西ドイツ特許出願公開公報(甲第一五号証)に記載された公知技術や、原告が出願当初の明細書(乙第一号証参照)の「第一軸受部」という記載を「半円筒状の溝」と補正した経緯、本件特許の分割特許出願に係る発明が特許を受けていることなどを理由として、「円周の二分の一にわたる円弧状の溝」という意味に解すべきである旨を主張する。

しかし、右の西ドイツ特許出願公開公報に記載された公知技術は、本件特許のように、半円筒状の溝53とピン63の外周面とが係合し、中間部材4がピン63を軸として取付板2に向かって回動するという構成を有するものではなく、当初の明細書の「第一軸受部」ないし「第1の切込み」という記載を「半円筒状の溝」と補正したことも、それによって初めて本件発明の新規性及び進歩性が肯定されたというものではなく、被告の主張は、その前提を欠く。また、本件特許の分割出願に係る発明についても、本件特許の技術的範囲の解釈に当たって直ちに参酌し得るものではない。被告の主張は採用できず、構成要件B1の「半円筒状の溝」を「円周の二分の一にわたる円弧状の溝」という意味に解することはできない。

2  争点1(一)(構成要件B1の充足性)について

(一) 被告各製品の取付板2が構成要件B1のうち「他端に係合部を有し、前記躯体の側板内面に沿って固着される」ものに該当することについては、当事者間に特段争いがない。

(二) 被告各製品の取付板2の一端にある略L字状部分53が構成要件B1の「半円筒状の溝」に該当するかどうかについて検討する。

被告各製品の略L字状部分53は、別紙「物件目録一」及び「物件目録二」に添付された各図面から明らかなように、いずれも一方において円弧状の内周面を有し、他方において開放されている細長い凹部である。そして、甲第四号証、第八号証及び第九号証、検甲第二号証及び第三号証、検乙第一号証及び第二号証並びに弁論の全趣旨によれば、被告各製品の略L字状部分53は、いずれも中間部材4に設けられたピン63の外周面と、少なくとも別紙「物件目録一」及び「物件目録二」添付の各第4図に掲げられた略L字状部分の拡大図中、円弧状の部分に連なる縦線で示されている箇所(垂直部分)において接触する細長い凹部であり、また、右の略L字状部分53とピン63の外周面との接触箇所は、扉やヒンジアーム1からの押圧力が加わる側にあって、略L字状部分53は、ピン63の外周面との右接触によって、中間部材4につきピン63を軸として取付板2に向かって回動させ得るものであると認められる(これを覆すに足りる証拠はない。)。したがって、被告各製品の略L字状部分53は、構成要件B1の「半円筒状の溝」に該当する。

この点について、被告は、本件明細書の記載(本件公報七欄二六行ないし二八行、九欄三〇行ないし三三行)から、本件発明における「半円筒状の溝」がピン63を回動可能に保持するという作用効果を有すると解し、略L字状部分53はピン63を回動可能に保持することはできないから「半円筒状の溝」に当たらない旨を主張する。しかし、本件明細書の右記載は、いずれも実施例の説明に関するものであり、本件発明における半円筒状の溝が一般的にこのような作用効果を備えているとはいえないし、本件発明においては、半円筒状の溝53とピン63の外周面とが扉やヒンジアーム1からの押圧力が加わる側の少なくとも一か所において接触し、相互に摺動し得る状態にあり、中間部材4がピン63を軸として取付板2に向かって回動し得るようにされているのであって、半円筒状の溝53とピン63がこのような状態で相対的に支え合っていることが、右にいう半円筒状の溝53がピン63を回動可能に保持することにほかならないものと解される。そして、被告各製品の略L字状部分53とピン63の外周面とが扉やヒンジアーム1からの押圧力が加わる側の少なくとも一か所において接触し、中間部材4につきピン63を軸として取付板2に向かって回動させ得るものであることは、前記認定のとおりである。また、本件発明において、取付板2は、躯体の側板内面に沿って固着され、ヒンジアーム1は、扉の躯体の側板内面と同様の向きの面に沿って枢着されるものであり、中間部材4のピン63を軸とする回動も、実際には、鉛直方向を軸とした水平方向線上の動きである。実際の取付けにおいても、一人の作業者が扉を躯体に押し当てながらヒンジアーム1を取付板2に対して順次押圧するのであって、被告主張のような「被告各製品においてピン63が下方に落下する状態」が惹起されることはない。したがって、被告の主張は採用することができない。

(三) 被告各製品の膨出部3を有する取付板2が構成要件B1の「取付板」に該当するかどうかについて検討するに、構成要件B1は、取付板の一端及び他端の部分の構成については規定しているが、そのほかの部分の構成については何ら規定するものではなく、被告各製品の取付板2は、膨出部3を有しても、構成要件B1の「取付板」に該当するというべきである。

被告は、膨出部3が水平方向の位置決め機能を果たすことを強調するが、仮に膨出部3にこのような機能があったとしても、右判断を左右するものではない。

(四) したがって、被告各製品は、構成要件B1を充足する。

3  争点1(二)(構成要件B3の充足性)について

(一) 被告各製品の取付板2が構成要件B1の「取付板」に該当することは、前記認定のとおりであり、これに弁論の全趣旨を総合すれば、被告各製品の中間部材4は、構成要件B3の「一対のフランジ部分4'、4'がウエブによって結合された断面U字形状を有しかつ扉の取付位置が躯体の奥行き方向および横方向に沿って調節可能に前記ヒンジアームを支持して前記取付板に着脱可能に取り付けられる」ものに該当すると認められる。

(二) 被告各製品の切欠部3'を有する中間部材4が構成要件B3の「中間部材」に該当するかどうかについて検討するに、構成要件B3は、中間部材の構成について、一対のフランジ部分がウエブによって結合された断面U字形状を有すること、扉の取付位置が躯体の奥行き方向及び横方向に沿って調節可能にヒンジアームを支持して取付板に着脱可能に取り付けられること以上にこれを規定するものではなく、被告各製品の中間部材4は、切欠部3'を有しても、構成要件B3の「中間部材」に該当するというべきである。

被告は、切欠部3'が水平方向の位置決め機能を果たすことを強調するが、仮に切欠部3'にこのような機能があったとしても、右判断を左右するものではない。

(三) したがって、被告各製品は、構成要件B3を充足する。

4  争点1(三)(構成要件B4の充足性)について

(一) 被告各製品の中間部材4が構成要件B3の「中間部材」に該当することは、前記認定のとおりであり、これに弁論の全趣旨を総合すれば、被告各製品のピン63は、構成要件B4の「前記中間部材のフランジ部分間に嵌挿され」るものに該当すると認められる。

(二) 被告各製品のピン63が構成要件B4の「前記取付板の半円筒状の溝と係合する外周面を有して・・・前記中間部材を前記取付板に対して回動可能に枢支するピン」に該当するかどうかについて検討する。

被告各製品のピン63は、別紙「物件目録一」及び「物件目録二」に添付された各図面から明らかなように、いずれも棒状ないし筒状の部材である。そして、被告各製品のピン63の外周面が略L字状部分53と少なくとも別紙「物件目録一」及び「物件目録二」添付の各第4図に掲げられた略L字状部分の拡大図中、円弧状の部分に連なる縦線で示されている箇所(垂直部分)において接触し、その接触箇所が扉やヒンジアーム1からの押圧力が加わる側にあって、右接触によって中間部材4がピン63を軸として取付板2に向かって回動し得るものであること、被告各製品の略L字状部分53が構成要件B1の「半円筒状の溝」に、被告各製品の取付板2が構成要件B1の「取付板」にそれぞれ該当することは、前記認定のとおりである。そうすると、被告各製品のピン63は、いずれも構成要件B4の「前記取付板の半円筒状の溝と係合する外周面を有して・・・前記中間部材を前記取付板に対して回動可能に枢支するピン」に該当するというべきである。

この点について、被告は、被告各製品の中間部材4はピン63を中心に回動するものではなく、被告各製品のピン63は構成要件B4の「中間部材を取付板に対して回動可能に枢支する」ものに該当しない旨を主張し、その証拠として、乙第八号証や検乙第三号証(ロ号物件から略L字状部分53を切欠したもの)を提出する。しかし、前判示のとおり、本件発明における中間部材4のピン63を軸とする回動は、その円運動の中心が常にピン63にあるというものではないし、また、略L字状部分53が存在する中間部材4の動作状況は、略L字状部分53を切欠したものによって直ちに立証し得るものではないから、被告の主張は採用できない。

(三) したがって、被告各製品は、構成要件B4を充足する。

5  争点1(四)(構成要件B5の充足性)について

(一) 被告各製品の取付板2が構成要件B1の「取付板」に、被告各製品の中間部材4が構成要件B3の「中間部材」に、被告各製品のピン63が構成要件B4の「ピン」にそれぞれ該当することは、前記認定のとおりであり、これに弁論の全趣旨を総合すれば、被告各製品の傾倒レバー5は、構成要件B5のうち「前記ピンの他端側で前記中間部材のフランジ部分に枢着されかつ前記取付板の係合部と係合する弾性突起57を有し、前記中間部材を・・・前記取付板に固定する傾倒レバー5」に該当すると認められる。

(二) 被告各製品の傾倒レバー5が構成要件B5の「前記中間部材を前記ピン廻りに回動」するものに該当するかどうかについて検討するに、被告製品においては、ピン63の外周面が略L字状部分53と少なくとも別紙「物件目録一」及び「物件目録二」添付の各第4図に掲げられた略L字状部分の拡大図中、円弧状の部分に連なる縦線で示されている箇所において接触し、その接触箇所が扉やヒンジアーム1からの押圧力が加わる側にあって、右接触によって中間部材4がピン63を軸として取付板2に向かって回動し得るものであることは、前記認定のとおりである。したがって、被告各製品の傾倒レバー5は、構成要件B5の「前記中間部材を前記ピン廻りに回動」するものに該当するというべきである。

(三) したがって、被告各製品は、構成要件B5を充足する。

6  以上によれば、被告各製品は、いずれも本件発明の構成要件を充足し、本件発明の技術的範囲に属するものということができる。したがって、被告各製品の製造・販売は、争点1(五)(均等の成否)について判断するまでもなく、本件特許権を侵害する行為に該当する。

二  争点2(原告の損害額)について

1  甲第一六号証及び弁論の全趣旨によれば、原告は、昭和六〇年ころから本件発明の実施品を自己の製品として我が国の大手システムキッチンメーカーに対し販売し、他方、被告も、被告各製品を我が国の大手システムキッチンメーカーに対し販売していたものであるところ、被告各製品なくしては、被告は、右大手メーカーへの販売を受注できなかった蓋然性が高いと認めることができる。また、ヒンジアームとの脱着が極めて容易な弾性スナップ嵌め固定装置を備えたヒンジを提供するという本件発明は、従来技術において未解決であった課題を解決したものとして画期的な発明であり、加えて、被告は、被告各製品の製造を始めた平成八年当時において本件発明以外にもこれと同様にワンタッチで取り付けられる機能を有する技術が存在したにもかかわらず、あえて本件発明を実施することを選択したものと認められること(乙第二三号証、第二四号証、第二六号証ないし第二八号証、第二九号証及び第三〇号証の各一及び二、検乙第八号証ないし第一〇号証、第一一号証の一及び二、第一二号証並びに弁論の全趣旨によって認められる。)などに照らせば、本件発明は、技術的観点から見て極めて評価の高いものであったということができる。さらに、平成一〇年法律第五一号による特許法改正によって置かれた現行の特許法一〇二条三項は、侵害を発見された場合に支払うべき実施料相当額が誠実にライセンスを受けた者と同じ実施料額では、事前にライセンスを申し込むというインセンティブが働かず、侵害行為を助長しかねないという右改正前の特許法一〇二条二項に対する批判を受けて、特許権侵害に対する民事上の救済制度の見直しを図った規定であって、同項の「その特許発明の実施に対し通常受けるべき金銭の額に相当する額」との規定から「通常」を削除した上、同条三項に移されたものであるところ、実際、ライセンス契約では、被許諾者において、発明の実施品の販売数量の多寡にかかわらず一定金額(最低保証料)を支払わねばならず、一定の事由のあるときを除いて契約を解除できず、また、万一当該特許が無効とされた場合であっても支払済みのライセンス料の返還を求めることができないなどの制約を契約上負担させられるのが通常であるのに対して、特許権侵害の場合には、侵害者は、これらの契約上の制約を負わないという点だけを見ても、既にはるかに有利な立場に立つものである。そして、このことは、本件の被告においても、当てはまるところである。以上の諸点を総合考慮すれば、本件において被告による本件発明の実施行為に対して原告の受けるべき金銭の額に相当する額は、被告各製品の合計売上高の約一〇パーセントに相当する三七〇〇万円と認めるのが相当である。

2  本件審理の経過及び弁論の全趣旨を総合すれば、本件特許権の侵害と相当因果関係に立つものとして被告に負担させるのが相当な弁護士費用の額は、五〇〇万円と認められる。

3  したがって、原告の損害額は、四二〇〇万円である。

三  以上によれば、原告の請求は、四二〇〇万円及びうち八〇〇万円に対する平成九年一〇月二日(訴状送達の日の翌日)から、うち三四〇〇万円に対する平成一一年九月三〇日(平成一一年九月二七日付け訴え変更申立書送達の日の翌日)から各支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由がある。

よって、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 三村量一 裁判官 村越啓悦 裁判官 中吉徹郎)

別紙物件目録一

(構造の説明)

別紙図面記載のごとく、

a 躯体と扉とを枢着するために前記躯体の側板内面に取り付けられるヒンジであって、

b1 一端に略L字状部分53を、中間部両側に側方に膨出する角形の膨出部3を、かつ他端に係合部54をそれぞれ有し、前記躯体の側板内面に沿って固着される取付板2と、

2 扉に枢着されるヒンジアーム1と、

3 一対のフランジ部分4'、4'がウエブによって結合された断面U字形状を有し、右フランジ部分4'、4'がそれぞれ前記取付板2の側方の膨出部3を嵌合する角形の切欠部3'を有し、かつ扉の取付位置が躯体の奥行き方向及び横方向に沿って調節可能に前記ヒンジアーム1を支持して前記取付板2に着脱可能に取り付けられる中間部材4と、

4 前記取付板2の略L字状部分53と接点を有する外周面を有して前記中間部材4のフランジ部分間に嵌挿され、前記取付板2に係合するように前記中間部材4に設けられたピン63と、

5 前記ピン63の他端側で前記中間部材4のフランジ部分に枢着されかつ前記取付板2の係合部54と係合する弾性突起57を有し、前記中間部材4を前記取付板2に固定する傾倒レバー5と、

6 前記弾性突起57を枢動して前記取付板2の係合部54に係合する方向に付勢しているばね手段58とから成り、

c1 前記傾倒レバー5が該ばね手段58に抗して枢動されることにより前記弾性突起57が前記係合部54から開放可能となっており、

2 同時に前記中間部材4及び前記ヒンジアーム1と共に取付板2からも取り外し可能となっていることを特徴とする

d ヒンジ

(図面の説明)

第1図 ヒンジアームと取付板の斜視図

第2図 ヒンジアームを取付板方向から見た場合の斜視図

第3図 ヒンジアームが取付板に固定された状態の側面図

第4図 ヒンジアームと取付板の側面図並びにピン付近及び略L字状部分の拡大図(ただし、略L字状部分53のアールの径とピン63の直径を厳密に比較する趣旨のものではなく、ピン63の直径の方が略L字状部分53のアールの径よりも大きい。)

第5図 第3図の線A-Aに沿い、かつ第3図のX方向に見た状態の断面図

符号1 ヒンジアーム

2 取付板

3 膨出部

3' 切欠部

4 中間部材

4' フランジ部分

5 傾倒レバー

53 略L字状部分

54 係合部

57 弾性突起

58 ばね手段

63 ピン

別紙物件目録一

第1図

第2図

第3図

第4図

第5図

別紙物件目録二

(構造の説明)

別紙図面記載のごとく、

a 躯体と扉とを枢着するために前記躯体の側板内面に取り付けられるヒンジであって、

b1 一端に略L字状部分53を、中間部両側に側方に膨出する角形の膨出部3を、かつ他端に係合部54をそれぞれ有し、前記躯体の側板内面に沿って固着される取付板2と、

2 扉に枢着されるヒンジアーム1と、

3 一対のフランジ部分4'、4'がウエブによって結合された断面U字形状を有し、右フランジ部分4'、4'がそれぞれ前記取付板2の側方の膨出部3を嵌合する角形の切欠部3'を有し、かつ扉の取付位置が躯体の奥行き方向及び横方向に沿って調節可能に前記ヒンジアーム1を支持して前記取付板2に着脱可能に取り付けられる中間部材4と、

4 前記取付板2の略L字状部分53と接点を有する外周面を有して前記中間部材4のフランジ部分間に嵌挿され、前記取付板2に係合するように前記中間部材4に設けられたピン63と、

5 前記ピン63の他端側で前記中間部材4のフランジ部分に枢着されかつ前記取付板2の係合部54と係合する弾性突起57を有し、前記中間部材4を前記取付板2に固定する傾倒レバー5と、

6 前記弾性突起57を枢動して前記取付板2の係合部54に係合する方向に付勢しているばね手段58とから成り、

c1 前記傾倒レバー5が該ばね手段58に抗して枢動されることにより前記弾性突起57が前記係合部54から開放可能となっており、

2 同時に前記中間部材4及び前記ヒンジアーム1と共に取付板2からも取り外し可能となっていることを特徴とする

d ヒンジ

(図面の説明)

第1図 ヒンジアームと取付板の斜視図

第2図 ヒンジアームを取付板方向から見た場合の斜視図

第3図 ヒンジアームが取付板に固定された状態の側面図

第4図 ヒンジアームと取付板の側面図並びにピン付近及び略L字状部分の拡大図(ただし、略L字状部分53のアールの径とピン63の直径を厳密に比較する趣旨のものではなく、ピン63の直径の方が略L字状部分53のアールの径よりも大きい。)

第5図 第3図の線A-Aに沿い、かつ第3図のX方向に見た状態の断面図

符号1 ヒンジアーム

2 取付板

3 膨出部

3' 切欠部

4 中間部材

4' フランジ部分

5 傾倒レバー

53 略L字状部分

54 係合部

57 弾性突起

58 ばね手段

63 ピン

別紙物件目録二

第1図

第2図

第3図

第4図

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